更訂 H28.12.24



  善なる行いによる後悔のない思いについて



 愚者は、「私は善いことをしなかった」と言って、悩みに焼かれ、
 また、「私は罪悪を行った」と言って、悩みに焼かれる。


 賢者は、「私は善いことをした」と言って、悩みに焼かれず、
 また、「私は罪悪をしなかった」と言って、悩みに焼かれることもない。





 たしかに次のことを世尊が説かれた、尊むべきお方が説かれた、と私は聞いている。

「比丘たちよ、これらの二は悩みで人を焼く。

 二とは何か。

 比丘たちよ、ここに、ある人が、善いことをせず、正しいこともせず、悪い境涯に行く恐怖から自分を救護せず、罪悪を行い、傲慢であり、過失をなしている。

 彼は、『私は善いことをしなかった』と言って、悩みに焼かれ、

 また、『私は罪悪を行った』と言って、悩みに焼かれる。

 比丘たちよ、実にこの二は悩みで人を焼くのである」


このことを世尊は語られ、それについて次のように説かれた、

「愚者は、身で悪しき行いをして、口で悪しき行いをして、また、心で悪しき行いをして、なお、その他の悪しき行いと言われる行いをして、善い行いをせず、多くの不善を行い、肉体が滅びたのちに、地獄に生まれる」

 このことをもまた世尊が説かれた、と私は聞いている。





 たしかに次のことを世尊が説かれた、尊むべきお方が説かれた、と私は聞いている。

「比丘たちよ、これらの二は悩みで人を焼かない。

 二とは何か。

 比丘たちよ、ここに、ある人が、善いことを行い、正しいことも行い、悪い境涯に行く恐怖から自分を救護し、罪悪をなさず、傲慢でなく、過ちをなさないでいる。

 彼は、『私は善いことをした』と言って、悩みに焼かれず、

 また、『私は罪悪をしなかった』と言って、悩みに焼かれることもない。

 比丘たちよ、実にこの二は悩みで人を焼かないのである」


このことを世尊は語られ、それについて次のように説かれた、

「賢者は、身の悪しき行いを捨て、口の悪しき行いを捨て、また、心の悪しき行いを捨て、なお、その他の悪しき行いと言われる行いをも捨てて、不善の行いをせず、多くの善を行い、肉体が滅びたのちに、天上界に生まれる」

 このことをもまた世尊が説かれた、と私は聞いている。