新規 2025.03.04
仏陀の教えの真理を御教授してくださる存在ついて 【 船 】 人がもしも他人から習って理法を知るならば、その人を敬うことは、あたかも神々がインドラ神を敬うがごとくになすべきである。学識の深いその人は、尊敬されれば、その人に対して心から喜んで真理を顕示する。 思慮ある人は、その事を理解して傾聴して、理法にしたがった教えを順次に実践し、このような人に親しんで怠ることが無いならば、識者・わきまえ知る者・聡明なる者となる。 未だ事柄を理解せず、嫉妬心のあるくだらぬ人・愚者に親しみつかえるならば、ここで真理をわきまえ知ることなく、疑いを越えないで死に至る。 あたかも人が水かさが多く流れのはやい河に入ったならば、彼は流れに運ばれ、流れに沿って過ぎ去るようなものである。彼はどうして他人を渡すことができるであろうか。 それと同じく、真理をわきまえ知らず、学識の深い人に事柄の意義を聞かないならば、みずから知らず、疑いを超えていない人が、どうして他人の心を動かすことができるであろうか。 堅牢な船に乗ってカイとカジを具えているならば、操縦法を知った巧みな経験者は、他の多くの人々をそれに乗せて渡すように、 それと同じく、ヴェーダに通じ、自己を修養し、多くを学び、動揺しない人は、実に知っているので、傾聴し侍坐しようという気持ちを起こした他の人々の心を動かす。 それ故に、実に聡明にして学識の深い立派な人々に親しめ。ものごとを知って実践しつつ、真理を理解した人は、安楽を得るであろう。 スッタニパータ
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